SHOW THE CHILLの新製品・黒皮鉄板製の焚き火台をイチ早く体験!

どうもくどうです。
この度、ご縁があってクラウドファンディングサイトにて公開前の焚き火台のモニターをさせていただきました。
今回はレビューも含めて製品の紹介をします。

パンチングメタルメーカーが始めたアウトドアブランド

SHOW THE CHILLとは

SHOW THE CHILLは神奈川県横浜市に本社を置くパンチングメタルメーカー株式会社ショウワが2020年に立ち上げたブランドです。

出発してまもないブランドであるため製品はまだ少なく、今回の焚き火台がアウトドア製品の第一弾となります。
株式会社ショウワは電気・産業機械、自動車部品加工などを手がける金属加工メーカーです。
これまでにも金属加工メーカーから始まったアウトドアブランドがあることを踏まえるとSHOW THE CHILLの今後の成長にも大いに期待が持てます。

プレート4枚を組み合わせるシンプルな構成の焚き火台

今回モニターさせていただくのはコチラ、SHOW THE CHILLの焚き火台です。

まずは焚き火台の基本的なスペックを紹介します。

焚き火台を構成する鋼板は厚さ2.3mmの丈夫な黒皮鉄板でメインプレートとサイドプレートの4枚を組み合わせたシンプルな構成です。
黒皮鉄板は蓄熱性にたいへん優れています。

基本スペック

構成部品:メインプレート×2枚、サイドプレート(孔あり)×1、サイドプレート(孔なし)×1
材質:SPHC黒皮
サイズ(組立時):350(W)×430(D)×240(H)mm
サイズ(収納時):240(W)×430(D)×50(H)mm
重さ:4.74kg
製造:日本
※上記は試作Ver.3(仮)のスペック。実際に販売される製品では変更になる可能性があります。

組立時の内寸の長辺は380mmあるので一般に販売されている多くの薪がそのままくべられるのは驚きです。

頑丈な黒皮鉄板を使用しているため重量は5kg近くとそれなりに重さがありますが、言い換えれば熱による変形が少ないことを意味しています。
車での持ち運びであれば気にならない程度の重量でしょう。
また、収納時は厚さ50mmと薄く収まるので積載時に収納場所を取らないのもメリットの一つと言えます。

注意点としては黒皮鉄板は防錆加工がされていないので、事前にシーズニングするか使用後に油を塗布するなどしないと錆が浮いてきます。
最近はガレージブランドを中心に黒皮鉄板を用いた焚き火台が増えており、使い慣れたユーザーであればこの点は問題にならないでしょう。
今回は使用前と使用後にサラダ油を塗布しました。
なにも手を加えずに錆もまた味わいとして楽しむのもよいかもしれません。

こだわりのポイント

鋼板を組み合わせた焚き火台自体はこれまでにもありますが、それらと比べて違うポイントはどこかみてみましょう。

組み立ててまず受けた印象としては写真で見るよりも火床が広い印象を受けました。
デザインはV字の溝型のタイプですが、火床は浅めで開いた形になり、上から見ると正方形に近いくらいの幅広の長方形になります。

サイズ感は浅く広がった火床によって、言い方は変ですがギリギリ小さくない印象です。
大きくはありませんが、かと言ってグループの真ん中に据えて囲むのに小さいということもなく十分な面積を備えた絶妙なサイズ感の焚き火台だと感じました。

次に目につくのがサイドプレートのヘリの立ち上がり部分です。
初めて試作品を写真で見たときはサイドプレートのヘリの立ち上がりはありませんでした。

サイドを立ち上げることにより、多くの薪を焚き火台の中に保持することが可能になります。
加えて、このわずか数センチの立ち上がりが風を防ぐのにじゅうぶん役に立ちます。
焚き火の炎は風の影響を受けやすく、場合によっては薪が落ちる、火の粉が飛んで服やキャンプ用品に穴が開くなどしばしば厄介な問題を起こすことがあります。

風の影響を抑えるだけでなく、パンチング加工で孔を開けることで空気を取り入れてしっかり燃焼させる工夫が施されています。
このおかげで落ち着いた焚き火でありながらも煙が少ない綺麗な炎になります。
また、サイドの孔から洩れる焚き火の灯りを見て楽しむことができるようにもなっています。

※サイドのデザインは変更となる可能性がある。

サイドの立ち上がりによって効率的な燃焼は確保しつつ安全に焚火を楽しめる工夫が凝らされていると言えます。

また、サイドプレートの底辺は重なり合うようにできています。
ここにもこだわりがあり、燃焼した灰をプレートとプレートの隙間から落とさないように工夫されています。

SHOW THE CHILLの大元の企業はパンチングメタルメーカーなだけあって、ロゴや各部分のパンチング加工の精度は見事です。
今回モニター品として提供された焚き火台のサイドには丸のグラデーションがポイントとなった加工がされていて、メインプレートにはロゴの形に射抜かれた加工が施されたデザインとなっています。
これらは単にデザインとしてだけではなく燃焼に必要な空気を取り入れる機能も併せ持っています。

加工はターレットパンチプレスでレーザー加工とは違う無骨な仕上がりになっている。

組み立てはメインプレートとサイドプレートのスリットとスリットを嵌め合わせるだけなので直感的に組み立てられます。
また、この後のバージョンでは長期の使用で熱変形の影響を受けてもスリットが嵌めやすいように修正が行われており、より長く使用してもらえるための工夫が施されています。

実際に組み立ててみるとプレート同士を嵌めやすい工夫がされていて、構造が非常にシンプルなため、慣れれば組み立てから設置まで1分以内に完了します。

設置に関して言えば、灰が両サイドから少し落ちるので焚き火シートを使うなどサイトにダメージを与えない工夫が必要になります。
すでに焚き火シートを使っていれば問題にならないでしょう。
※どう森は直火OKなのでそのまま使用しました。

実際に焚き火してみた!

UCOフラットパックの記事でも紹介しましたが、くどうは灰の処理のしやすさと収納時の手入れのしやすさで便利シートを使っているので、この焚火台にも使用してみました。

驚いたことに、焚き火台の淵の立ち上がりを除いた内寸の短辺に便利シートの幅がぴったりです。
UCOフラットパックだと長辺がぴったりです。
思わぬところで便利シートの使い勝手の良さをあらためて知ることになりました。

便利シートを使うと焚き火台の保護にもなるのでフラットパックのようなV字タイプの焚き火台を使っているユーザーにおすすめです。
※便利シートの端は鋭利で切れやすくなっているので取り扱いには注意が必要です。

実際に薪をくべてみると長さのある薪でも問題なく入ります。
今回はどう森の薪棚にストックしている薪を使いました。
長さはまばらで、長いもので450mm程度あります。
さすがに450mmもあるとまっすぐは入りませんが、斜めにくべることではみ出すことなく収まります。
一般的に薪の長さは380mm前後で売られているものが多いと言われているので、ほとんどの薪を切らずにくべることができます。

燃え方の印象は大人しめですが、煙は少なく綺麗によく燃えます。
熾火が得意な焚き火台だと思います。
薪を積み上げてそれなりに勢いよく燃やすことは可能ですが、個人的にはこの焚き火台に収まるくらいの焚き火の大きさが好みです。
ガンガン燃えるということがないので落ち着いて焚き火を味わえます。
ロストルを入れるともっと表情の違う燃え方に変わるかもしれません。

UCOフラットパックは同じV字型の焚き火台ですがSHOW THE CHILLの焚き火台と比べて勢いよく燃えます。
ただ、そうなると常に火の様子を気にかけなければならず、薪をくべるのに忙しくなり、それだけで時間と気持ちを割かれます。
この焚き火台は適度に火の番をしながら会話を楽しんだりのんびり過ごす時間を大切にしたい人におすすめです。
シーンごとに焚き火台の性格で使い分けるのも良さそうです。

また、焚火台の高さが240mmと低いため、近年主流のロースタイルにもなじむ高さです。
かと言って、底面から地面にダメージを与えるほどの熱を感じることはないので絶妙な高さと言えます。

加えて、黒皮鉄板のメリットとして蓄熱性に優れるため、熾火に薪を追加してからの再着火が非常に早い特徴があります。
フラットパックのような薄い鉄板を用いた焚き火台では薪を追加してから火が着くまでにくすぶってしばらくは煙が多く立ち上りますが、この焚き火台は煙が少なく比較的短い時間で火が着きます。

少しアレンジを加えて、試しにUCOフラットパックで使用しているふきんハンガーを焚き火台に組んでみたところ、問題なく使用できました。

フラットパックはよく燃えるがゆえに火力にムラがあります。
この焚火台だと落ち着いて燃えるのでムラが少なく、安心して調理できます。
炭火を使った調理との相性もよさそうです。

オプションパーツについてはアナウンスされていませんが、メインプレートにノッチが切られていて、様々な試作が行われているため、今後のラインナップに上がってくるかもしれません。

落ち着いた燃え方でもしっかり燃えるのでほとんどが灰になります。
焚き火台の両側の火床の底辺部分にスリットが設けられていますが、そこから落ちる灰は思っていたより相当少ない量でした。
これならば100均で扱っているバットを両脇に置いておくだけでも灰受けとして十分かもしれません。

片付けの際は便利シートを焚き火台から外し、灰捨て場に灰を捨てるか、そのまま包んで空気を遮断して完全に鎮火させればゴミとして処分することもできます。
※灰になってもしばらくは高温の状態が続きますので便利シートを触れる際は火傷に注意が必要です。

使用後はそれぞれのプレートについた灰や煤をショップタオルなどで拭き取るだけで完了します。
大袈裟な仕組みはないので手間なく簡単に撤収が可能です。

ブランドを顕す焚き火台

いかがでしたでしょうか。

公式的には収納袋としてトートバックの必要性を認識しているとアナウンスがありました。(付属かオプションかは未定)
今回使用したふきんハンガーでも役割を担うことはできますが、デザインを揃えた五徳やロストルなどがあってもよいですね。

まとめ

SHOW THE CHILLが手がけるブランド初の焚き火台は設置が簡単で直火感のある落ち着いた焚き火が堪能できます。まさにブランドの名を顕す”CHILL”な焚き火台です。
薪をくべるのを急かされることがないので焚火を囲んで仲間と会話を楽しんだり、景色をゆっくり眺めて過ごす時間を大切にする人におすすめです。
また、一見すると派手さはないように見えますが、蓄熱性にたいへん優れた黒皮鉄板を使用し、細部に渡って長く使用できるための工夫が施され、こだわりが見える焚き火台となっています。

こちらの製品は2月初旬〜中旬にクラウドファンディングサイトで公開される予定となっています。
SHOW THE CHILLにとって初のアウトドア製品となるこの焚き火台を是非手にとって体験してみてください。

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